・ 残響のテロル
スピンクスサイドと警察サイド、両方の対局に立つFBIサイドが好き勝手絶頂大暴れする回でした。
あの白髪アマの調子に乗りっぷりは、非常にいい敵ゲスト描写だと思います。
俺も頭いい系キャラ出す時よくやります、目隠しチェス!(高慢な素人特有のダチ目線炸裂)

テロリストとして"悪"の側にいたスピンクスたちが、テロル行為をハイヴに乗っ取られた結果、テロルに対抗する"善(とも受け取れる)"側に移っている転倒は、なかなかにテクニカルで面白い。
この立場逆転とほぼ同タイミングで、ポンコツ女子高生と楽しい同居生活をいれこんで、スピンクスたちに人間味を出しているのも、キャラへの印象と物語的立場をシンクロさせる仕掛けとして興味深いです。
あのポンコツ、なんでアンミラみたいな乳袋服わざわざ着てんの……。
既にデレデレな12が横車を押すことで、9もみるみるチョロくなっていく一連のツンデレピタゴラスイッチは、見てて自然と笑みの出てくるいいシーンでした。

一方警察の方々も、FBIの横槍を気にあっという間に765プロもびっくりなくらい団結。
いや、国家の根幹を揺るがす挑発的テロ行為なんだから、縄張り争いしてる場合じゃねぇんだけどね。
そういう状態でも、明確な外敵が出て初めて態度が軟化するのは、なんともジャパニーズ・ドラマティック・ポリススタイルといいますか。
実際の話、柴崎さんの<神話知識:18>が無いと謎々一切解けず捜査も進展してないので、現場サイドの態度軟化も納得行くところですが。

お話としては露骨な二話構成であり結論がつくのは次回だと思いますが、地味に警察チームとスピンクスの物理的距離が過去最短レベルに接近していて、なにか起きそうな状況だと言えます。
確実に何かやらかすポンコツと合わせて、次回の転がし方に期待が持てる折り返しでした。
やっぱグイグイ来てるよなぁ、残響のテロル。

 

・ ろこどる
ゆるキャラグランプリという一つの節目を受けて、その成果をAパートで確認。
次回以降の飛躍のために新キャラを出して、この紹介がBパート。
「ゆるい」「まったり」と言われつつ、そしてその評価を裏切らない演出をしっかり達成しつつ、お話の骨格になる部分はしっかり組み上げる辺り、このアニメの強さを見た思いです。

このアニメは本当に「過程→結果→反響」という努力のサイクルを描くのが上手いアニメ。
今回の全国区の放送にしても、身内しかファンのいなかったところから始まり直接触れ合った観客→TVで見た観客と、受け取る層が拡大していく様子を丁寧に書いてます。
同時に家族や友人、以前からのファンの反応もしっかり描くことで、「ろこどる」という自分たちの立場をないがしろにせず、今までの良いところを殺さず流川ガールズの拡大を書けている。
最初見た時に感じたバランスの良さは、話の進行によって損なわれることなく、むしろ強くなっている感じすら受けますね。
「なんで縁先輩は完璧超人なのか」という疑問に、過酷なパーティー描写でひっそり答えてる辺り、ほんとに巧い。

こうして彼女らがやっていることの手応えをしっかり描くと同時に、女子高生同士の身近な距離感を大切に扱うことも、このアニメの強い部分。
そこら辺を強化したのが、Bパートでの新キャラ投入でしょう。
人見知りな子がいい塩梅の流川チームに混ざることで、新たな交流も生まれるし、その中でキャラの魅力も見えてくるという、定番ながら美味しい展開に期待。

他にも相変わらずゆかり先輩がクソレズだったり、弟となにゃこが同レベルだったり、細かいくすぐりも面白かった。
毎回面白いってのはとても大変なことだと僕は思っていますが、毎回面白いなぁろこどる。
ほんと、よく出来たアニメです。

 

・ プリパラ
今週もまた、小学五年生女子に中学生女子がズッパまりになる素地が整えられた!
そんな感じの、そふぃ様攻略第一段階回でした。
路線としては完全に『真中らぁらのお姉さん入れ食い踊り食いツアー』と化しており、とても素晴らしすぎて死にそうです。

そふぃ様ファンシーモードの火力が高すぎて忘れがちですが、らぁらの頑張る姿を見て干物からちょっと頑張ってみるという今回の動きは、『みんなに元気を与えるアイドル』という作品全体のテーマとしても、今後そふぃがどういうお話を経験していくのかという示唆としても、よく出来たシーンだったと思います。
こういうロードマップの見せ方が巧いのは、地力のある証拠だと思います。
それにしたって干物過ぎるけどね……そういう部分もひっくるめて、献身的に介護している親衛隊のまごころが、僕は好きです。

結局今回ではらぁらはレッドフラッシュの女=そふぃとは気付いていないわけで、やっぱそふぃとのユニット結成は序盤のヤマ場として引っ張る感じかなぁ。
同時に、自分の利己的目的や他者の立場で態度を変えない、素直で優しいらぁらの人格が見える動きでもあり、こういう部分も巧いなと。
徹底的にいい子ならぁらの人格と、ブッチギリキチガイな投げっぱなしギャグはかなり奇妙なミスマッチを果たしていて、ともすれば人間味に欠けた優等生になりがちならぁらが、なんの脈絡もなくワニになったり相撲取りになったりすることで、遠近感のあるキャラになるというフォローまで引っ括めて、やっぱこのアニメのキャラ捌きはグッドだと思います。

素性は分からなくてもそふぃ様が小学五年生にズブズブなのは明らかであり、メカクレの素顔覗き込みキャンセル「き、綺麗……」だの、梅干しあーんだの、スカウターが大爆発しかねない勢いでキマくってた。
その癖委員長に怒られそうになると即座にハグしてごまかす辺り、らぁらちゃんは天然小悪魔としての立ち居振る舞いがヤバ過ぎる。
来週は同い年の友達なおちゃんが「仕事と私どっちが大事なの! あの委員長と何があったの!!」と問い詰めまくる話らしく、やっぱらぁらちゃんの体から溢れてるフェロモンの平和利用を、真剣に検討するべきタイミングが来ていると思います。

 


・ アイカツ
おそらくドリアカ用の最終回であり、ドリームアカデミーという存在を掘り下げ、音城セイラというキャラクターを掘り下げる個別回。
アイカツの個別回らしい、短い時間でたくさんのことを飲み込ませるリッチな話でした。
素晴らしい出来……なんですが、何分遅い。
遅すぎる。

話自体はとても良く出来ていて、脳筋エリート主義のスターライトと落ちこぼれ科学補強のドリアカを対比することで、学校の特色がよく見え、それを創りだしたティアラ学園長のバックボーンもよく分かる。
スターライトの腐れエリートマチズモっぷりが異常で、才能と幸運に恵まれた主役勢はともかく、裏で何人も潰れてるんだろうなぁなどと思ってしまった。
そらー、中学卒業のタイミングで何人か抜けるわ。

そこから溢れた人をすくい上げるために、十年計画でスターライト学園を仕上げたティアラ学園長の根性も、スジの通ったいい話だった。
そこに投入された財産と時間、労力を鑑みると、どれだけのアイドル候補生がスターライトという悪魔の歯車に食いつぶされていったのか、想像が止みません(二度目)。
なんというか、一種の仏教的供養としか思えんね、ドリアカ設立。
尖らして磨き上げていくスターライトと、裾野を広げ拾い上げていくドリアカの方法論の違いは、実は二期最初のドリアカワントップ体制の説明として巧い。

こういう説得力のある積み重ねからセイラに渡し、四人でのステージから感謝の挨拶に繋ぐ流れ。
いい話のラッシュで窒息寸前まで追い込むパワーに満ちた、アイカツらしい構成だったと思います。
離れてこそホームの魅力がよく見えるというのも、なかなかグッドな話の転がし方。
総決算ということで、ドリアカの子たちのステージは凄く可愛く仕上がってました。
3Dステージングにおける空気遠近法表現は、アイカツが完成させてると思う。


その上で、遅かった。
この話は視聴者がスターライトアカデミーと音城セイラに馴染みが薄く、想像力の中でキャラクターを育めるタイミングで出すべき、というか出さないといけない話だったと思います。
ツウィングス編に移って以来ずっと「セイラだけ、クライマックスに立つ理由が薄すぎる」と感じていたのですが、今回の話を見てそれは「この話が二期序盤、もしくは学園祭前にあれば……」という感想に変わりました。

それだけ、今回の話は良く出来てる。
繰り返しになるけど、音城セイラというキャラクターが何故アイドルを目指しているのか、彼女が所属するドリームアカデミーという場所はどんな特徴を持っているのか、それを24分でしっかり飲み込ませる、素晴らしい回。
こういう話が無いより、有った方がいい(というか、この回なしでクライマックス突入はそれこそ「なんでセイラ、ここにいんの?」になる)わけですが、その仕上がりは二期前半のぼんやりした構成を挽回できるほどでは無かった。


ライバルとして出てきた割には早い段階で仲良し一緒にゴール路線に舵を切った、ドリアカという場所。
いちご&あおいの変奏として割り振られ、受けの良いエピソードの変形をこなしキャラクターへの踏み込みへ尺を使えなかった、セイラ&きぃ。
二期前半は如何にも、飛竜の如き勢いで企画継続をもぎ取った女児アニメらしい混乱が垣間見え、その波を全部被ったのがドリアカ&セイラと言えるのでしょう。

二度同じ"失敗"を繰り返すつもりはないのか、三期の主役たるあかりちゃんは二期後半から顔見世をし、しっかりと個別エピソードを積み重ねて視聴者に馴染ませています。
話の構成とIPとしての都合が強く同期し、その商業的理由をバネに物語を飛躍させる一種の創作的サーカスこそが、僕が女児アニメを楽しいと感じる理由の一つなのですが、アイカツは特に、銭の波が脚本におっ被ることが多い。
音城セイラと大空あかりという、「"星宮いちご"の次」を任された二人。
彼女らの扱いの違いは分析的な目からすると相当面白いのですが、キャラクターと物語の中にずっぷり浸かって楽しむ立場からすると、「あかりちゃんはあんなに恵まれてるのに、なんでセイラは……」と思わずにいられない。

だって俺、セイラ好きだもん。
たとえ上手く取り回せなかったとしても、音城セイラという女の子は元気でナイーブで優しくて、とても素晴らしい女の子だと思っています。
アイカツに出てくる子たちがみんな、こういう風に好きになれるからこそ、アイカツって強いなと思いますが。
「大人の都合」が他の消費者層を対象にしたアニメより表に出る児童向けアニメ。
その事情を理解し楽しいと思いつつ、「それとこれとは別だ」と感じる自分がいるわけです。

そういう僕にとって、遅かりしとはいえ、今回のお話が届いてくれたことはとても有難かった。
何故音城セイラという女の子が、この物語世界に存在しているのか。
何故ドリームアカデミーという場が、スターライトと対比されているのか。
その説明として、今回の話は申し分ないからです。
物語世界への没入はやはり、しっかりとした技量で丁寧に描写された本筋だけが産むのだと、つくづく再確認しました。

だから「なんでセイラ、ここにいんの?」とはもう思わない。
ギリッギリのところで、音城セイラはクライマックス担当として「間に合った」んだと、今回のお話を受け取って思いました。
こういうところで間違えないから、アイカツは本当に凄い。
後五話、どうなるのか。楽しみですね。